【初心者向け】Vimの基本操作をまとめてみた

Vimは、viから派生した高機能なテキストエディタとして広く使用されていますが、初めて利用する人にとっては取っ付き難く、習得するまでにそれなりに学習コストがかかることがあります。
しかし、一度マスターすると、高度なテキスト編集作業を効率的かつ迅速に行うことができます。
そこで本記事では、これから本格的にVimを学習する人やVim初心者という人に向けて、Vimの基本操作について解説していきます。

1. モード

Vimの基本操作において、モードは重要なコンセプトの一つです。
Vimは異なるモード間を切り替えながら作業を進めることができます。
Vimには、主に以下のようなモードがあります。

ノーマルモード

ノーマルモードVimのデフォルトモードであり、コマンドを実行するモードです。このモードでは、キー入力がコマンドとして解釈され、テキストの編集やカーソルの移動が行えます。ノーマルモードを駆使することで、各種操作を素早く実行することができるようになります。

インサートモード

インサートモードではテキストを直接入力することができます。ノーマルモードからインサートモードに切り替えるには「i」を押します。このモードでは、通常のテキストエディタと同様に文字を打ち込むことができます。

ビジュアルモード

ビジュアルモードはテキストを選択するためのモードです。ノーマルモードからビジュアルモードに切り替えるには「v」を押します。選択した範囲に対して様々な操作を行うことができます。

これらのモードはVimを使いこなす上での基本であり、これらのモードを状況に応じて使い分けることで、素早い操作やテキスト編集の効率的な進行が可能になります。

2. 基本の移動

Vimの基本の一環として、テキスト内でのカーソルの移動は非常に重要です。以下で、Vimでの基本的な移動コマンドについて説明します。

カーソル移動

  • h : カーソルを左に移動します。このコマンドは、左方向への移動に使用されます。
  • j : カーソルを下に移動します。通常、行をまたいでの移動に利用されます。
  • k : カーソルを上に移動します。行をまたいでの移動に使用されます。
  • l : カーソルを右に移動します。右方向への移動に使います。

これらの移動コマンドは、ノーマルモードでの基本的なナビゲーションを行うためのものです。矢印キーを使わずにこれらのキーを組み合わせて使用することで、手をキーボードから離さずに素早い移動が可能になります。

単語単位の移動

Vimはテキストを単語単位で操作することが可能です。

  • w : 次の単語の先頭にカーソルを移動します。
  • e : 次の単語の末尾にカーソルを移動します。
  • b : 前の単語の先頭にカーソルを移動します。

これらのコマンドは、単語ごとの移動が必要な場合に便利です。

行の先頭・末尾への移動

  • 0 : カーソルを現在の行の先頭に移動します。
  • $ : カーソルを現在の行の末尾に移動します。

これらの移動コマンドを使うことで、行全体に対する操作を効率的に行うことができます。これらの基本的な移動コマンドを覚え、使いこなすことで、Vimでの効率的なテキスト編集が可能になります。

3. テキストの操作

Vimでは、ノーマルモードでのテキスト編集が中心となります。以下は、テキストを効率的に操作するための基本的なコマンドです。

行の操作

  • dd : カーソルがある行を削除します。削除した行はクリップボードに保存されます。
  • yy : カーソルがある行をコピーします。コピーした行もクリップボードに保存されます。
  • p : カーソルの次にテキストをペーストします。ddやyyで削除またはコピーした内容を挿入できます。

文字の操作

  • x : カーソルがある位置の文字を削除します。
  • r : カーソルがある位置の文字を他の文字に置き換えます。例えば、raと入力すると、カーソルがある位置の文字がaに置き換わります。

ブロック選択と操作

Vimのビジュアルモードを使用することで、特定の範囲を選択し、さまざまな操作を行うことができます。

  • v : ノーマルモードからビジュアルモードに切り替えます。
  • V : ビジュアルモードを行選択モードに変更します。
  • Ctrl + V : ブロック(矩形)選択モードに変更します。

これらのモードでテキストを選択した後、削除やコピー、貼り付けなどの操作が可能です。

これらのテキスト操作コマンドを組み合わせて使うことで、短いコマンドラインを入力するだけで複雑な編集作業が可能となります。しばらくの練習を経て、これらの操作が自然になると、Vimの強力な編集機能をフルに活用できるようになるでしょう。

4. 保存と終了

Vimでの編集が終わったら、変更内容を保存して終了する手順を理解することが重要です。以下は、保存と終了に関連する基本的なコマンドです。

ファイルの保存

  • :w : ファイルを保存します。Vimは終了せず、引き続き編集が可能です。

終了コマンド

  • :q : Vimを終了します。ただし、もし変更内容が保存されていない場合はエラーが表示され、終了できません。
  • :q! : 強制終了コマンド。変更内容を保存せずに無理矢理終了します。扱いには注意が必要です。

保存と終了を同時に

  • :wq : ファイルを保存してVimを終了します。これは頻繁に使用されるコマンドで、編集内容を保存して素早く終了するためのショートカットです。
  • :x : これもファイルを保存して終了するコマンドですが、もしファイルに変更がない場合は終了しません。

これらのコマンドは、編集作業の終了時によく使用されます。注意が必要なのは、変更内容が保存されていない場合、:qだけでは終了できないことです。その場合は、保存して終了するコマンドを使うか、強制終了の:q!を利用します。

以上、Vimの基本操作について解説してきました。Vimの操作は独特で慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、これらの基本的なコマンドを覚え、使いこなすことで、非常に効率的なテキスト編集が可能になります。まずは簡単なファイル編集などからスタートしてみて、焦らず少しずつVimの操作に指を慣らしていきましょう。